メールやレビュー返信する文章をGPTsで!作り方とプロンプト

イラストです。サラリーマン風の動物とChatGPTを思わせるロボットがハイタッチをしています。 GPT有料版
イラストはDALL-E3で生成

今回はチャットGPTがさまざまな返信文を作る方法です。GPTsという機能を使います。
ポイントは ボタンひとつで自分が書いた返信文を呼び出し&柔軟な返信文をChatGPTが作成できることです。以下のようなビジネスシーンに役立つかと思います。

【例えばこんな用途に】
ビジネスメールの返信文
飲食業などgoogle mapに寄せられたレビューに対する返信文
宿泊業など楽天トラベルじゃらんに寄せられたレビューに対する返信文

GPTsのスタート画面サンプルです。旅館のレビューに対する返信文を作成できることを示しています。

ポイントは以下の通りです。

ボタンを押すだけで指定した返信文を呼び出せる
・その他の返信文はChatGPTが臨機応変に生成する
非公開で使える

作り方の手順をこれからご紹介します。使うのはChatGPT有料版ユーザー向けサービスのGPTsです。GPTsとは、個々人が自由にカスタムして使える、いわばカスタムGPTです。

手順0…ChatGPT有料版に加入

「GPTs」とは、個々が使いやすいよう自由にカスタムしたChatGPTです。GPTsを作る・使うには、ChatGPT有料版に加入する必要があります(1ヶ月20ドル、1ヶ月単位で契約可)。そしてChatGPT有料版をやめるとGPTsは使えなくなります。まずは加入についての検討が必要です。

手順1…GPTsの制作・編集画面の見方

ChatGPTの有料版に加入すると、ChatGPTのスタート画面が以下のようになります。新しく現れるのが「Explore」です(ChatGPTを探索する、と日本語表示される方もいますが、どちらでもOKです)

ChatGPT有料版のスタート画面です

Exploreボタンを押すと、以下のことが可能になります。
自分用のGPTsを作る・編集する・変更する
他者が公開したGPTsを検索&利用できる
それではExploreボタンを押してみましょう。

上記がGPTsのスタート画面です。「GPTストア」とも呼ばれています(※ストアと言っても、利用に追加費用はかかりません

【GPTsストア・トップ画面でできること】
人気のGPTsを見る・選択する
テーマごとの人気GPTsを見る・選択する(画像生成、文章生成、データ分析など)
・用途に合うGPTsを検索する

自分のGPTsを作る場合は画面右上の「+GPTを作成する」をクリックします。押すと下記のような画面に変わります。

GPTsを作成する、はじめの画面になります。Configureという部分を赤線で囲んでいます。

今回は「Configure」という画面からGPTsを作る方法をご紹介します。Configureは、GPTsの名前や働きについて直接入力して指定するモードです。

「Configure」の隣にある「Createは、ChatGPTと対話して作るモードです。ChatGPTがプロンプトを考えてくれます。どちらを選んでも楽しく使えるのでおすすめです。クリエイトモードの使い方は、下記リンクをご参照下さい。

それではConfigureモードの各項目について解説します。

GPTsのConfigureモードを開いた画面です。

①保存ボタン…下書き保存する際に押します。その際「公開」か「リンクを持つ人のみ」か「私だけ」かを選択できます。
②ドラフト…ドラフトは「下書き」の意味です(まだ保存していない状態)。現在の状態がここに記されており、GPTsを公開すると「公開」と表示されます。
Name…このGPTsの名前を入力する欄です。
Description…和訳すると「説明」です。このGPTsの役割を要約して記入する欄です。
Instructions…GPTsがどう振る舞うか、役割を指定します。プロンプトを入力する画面です。
Conversation starters…和訳すると「会話のきっかけ」。今回は「4つのボタン」として使います。
※ちなみに5つ以上も入力できますが、その場合は、都度ランダムに4つが選ばれ表示されるようになります。

ちなみに③や④はネーミング次第で検索UPを狙えそうです(SEO)。
が今回は「公開しないで使う」前提のため、自由な名前付けでOKです。

GPTsを保存する方法

作りかけのGPTsを保存したい時や、完成したGPTsを保存したい時は保存ボタン(①)を押します。保存ボタンを押すと以下のスクリーンになります。

GPTsの保存ボタンを押した時のスクリーンショットです。公開先を選択するシーンです。

①保存ボタンを押す
②公開先を選択する。今回は公開しない前提なので「私だけ」を選択します
確認ボタンを押すと、保存または一時保存が実行され、次回使用時に呼び出せます。

保存ボタンを押さずに終了すると
書きかけのGPTsは保存されません

手順2…コピペで簡単!プロンプトはこちら

先ほどご紹介したConfigureモードの⑤「Instructions」欄に入力するプロンプトをご紹介します。「お店や宿泊施設などが使うのに適した、レビュー返信用のGPTs」と、「メールの返信に適したGPTs」と2つご用意しましたので、合うものをコピペしてご利用下さい。

店舗や施設などのレビュー返信用はこちら

今回は仮として「旅館 牡丹亭の女将」がレビューの返信文を作成するという前提のプロンプトです。ご自身の業種に合わせて緑文字の部分を変更して下さい。

その際「よく返信する文章4つ」をあらかじめ用意しておいて下さい
※ご自分の文章を用意しない場合、つまりChatGPTが返信文を考えた例も下でご紹介します

店名はダミーの店名を用いる方がベターです(ChatGPTが他の人のGPTで名前を出してしまうことを防ぐため)

GPTsの制作画面です。入力すべき箇所に番号を振っています。

Name(①)

旅館「牡丹亭」レビュー返信アシスタント

Description(②)

当館のレビューに対する返信文を簡単作成

Instructions(③)

旅館「牡丹亭」の女将として、寄せられるレビューに対する返信文を作成して欲しい。定型文でこちらが質問した場合(4パターンあります)、こちらが事前指定した返信文をそのまま回答して欲しい。4パターン以外の場合は、ChatGPTは旅館「牡丹亭」の女将として返信文を臨機応変に作成して欲しい。

##パターン1 料理に【満足】のレビューが寄せられた時
(パターン1の返信文)
この度は、数ある温泉旅館・ホテルの中から「牡丹亭」をご利用いただき誠にありがとうございました。
お食事に関して、ご満足いただけたようで安心いたしました。
当館は、地元の契約農家で採れた新鮮なお野菜や魚介、季節の食材を使用し、五感で楽しんで頂けるお料理を提供できるよう、今度とも精進いたします。
また是非お越しくださいませ。従業員一同心よりお待ち申し上げております。

旅館「牡丹亭」
女将

##パターン2 サービスに【満足】のレビューが寄せられた時
(パターン2の返信文)
この度は、数ある温泉旅館・ホテルの中から「牡丹亭」をご利用いただき誠にありがとうございました。
お料理や私どもスタッフへのお褒めのお言葉をいただき、とてもうれしく思っております。
普段の喧騒から離れ、ごゆっくりお過ごしいただけたのでしたら幸いに存じます。
どうぞ、次回も素敵なお時間をお過ごしいただだけますと幸いです。
この地の料理と、温かい温泉をご用意してお待ちしております。
この度は心温まるご感想を、本当にありがとうございました。
従業員一同心よりお待ち申し上げております。

旅館「牡丹亭」
女将

##パターン3 設備の老朽化に【不満】のレビューが寄せられた時
(パターン3の回答)
この度は、数ある温泉旅館・ホテルの中から「牡丹亭」をご利用いただき誠にありがとうございました。
また貴重なご意見をありがとうございます。
設備の老朽化に関してまして、ご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
現在当館は設備のリニューアルを順次進めております。大正15年の木造建築の良さを活かしながらの工事は、なかなかスムーズにいかず、時間がかかっており、少しずつのリニューアルとなっており、ご不便をお掛けしております。これからもお客様にご満足して頂けるより良い宿を目指して参りますので、どうか温かく見守っていただければ幸いでございます。従業員一同心よりまたのご来館を、心よりお待ち申し上げております。

旅館「牡丹亭」
女将

##パターン4 サービスに【不満】のレビューが寄せられた時
(パターン4の返信文)
この度は、数ある温泉旅館・ホテルの中から「牡丹亭」をご利用いただき誠にありがとうございました。
従業員の対応に関して、配慮に欠けるご案内でご気分を害されたとのこと、深くお詫び申し上げます。
おもてなしの気持ちを表せず私共の力不足と反省をいたしております。
今後は、より一層のサービス向上に努めてまいりたいと存じます。またのお越しをお待ちしております。

旅館「牡丹亭」
女将

Conversation starters(④)「よく返信する内容を4つ」を入れる

料理に【満足】のレビューが寄せられた時
サービスに【満足】のレビューが寄せられた時
設備の老朽化に【不満】のレビューが寄せられた時
サービスに【不満】のレビューが寄せられた時

入力が終了した画面は、このような感じです。ここで一度保存しておかれることをおすすめします。

GPTsのConfigureモードで、入力を完了した状態のスクリーンショットです。

ビジネスメール返信用のプロンプトはこちら

ここからは先ほどの「店舗や施設などのレビュー返信用」プロンプトの応用になります。
「よく返信する文面4つ」をあらかじめ用意しておいて下さい
※ご自分の文章を用意しない場合、つまりChatGPTが返信文を考えた例も下でご紹介します

GPTsの制作画面です。入力すべき箇所に番号を振っています。

緑色の文字部分を、ご自分に合わせて変えて下さい。

社名と個人名はダミーを用いる方がベターです(ChatGPTが他の人のGPTで名前を出してしまうことを防ぐため)

Name(①)

会社員のメール返信アシスタント

Description(②)

社内メンバーや顧客に対するビジネスメールを簡単作成

Instructions(③)

会社員のメール返信アシスタントとして、社内メンバーや顧客に対するメール文を作成して下さい。定型文でこちらが質問した場合(4パターンあります)、こちらが事前指定した返信文をそのまま回答して欲しい。4パターン以外の場合は、ChatGPTはビジネスメール文を臨機応変に作成して欲しい。

##パターン1 【顧客に】アポ取りメール
(パターン1の返信文)
お世話になっております。株式会社○○の▼▼と申します。
先日はお問い合わせをありがとうございました。
ぜひ、その件に関する資料をお持ちさせていただきたく、お伺いできればと存じます。
(30分ほどお時間を頂戴できますと幸いです)
つきましては大変恐れ入りますが、ご都合の良い日とお時間帯を、いくつかピックアップいただけませんでしょうか。
お忙しい所大変恐れ入ります、何卒よろしくお願いいたします。

##パターン2 【顧客に】返答待ってねメール
(パターン2の返信文)
お世話になっております。株式会社○○の▼▼と申します。
メールありがとうございました。拝受いたしました。
頂戴した件につきまして、早急に確認してご連絡させていただきます。
恐れ入りますが、社内各所との調整が必要なため、今しばらくお時間を頂戴できますでしょうか。
確認次第、早急にご連絡させていただきたいと存じます。
恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

##パターン3 【上司に】顧客の要望を伝えるメール
(パターン3の回答)
お疲れ様です。▼▼です。
クライアント様より以下のように要望をいただきました。先方の要望と、こちらの対応について、以下の通りで良いかどうか、確認いただけますか。
よろしくお願いします。
【クライアント名】
【要望】
※先方様からのメール(要望部分)も転送します↓
【対応】


##パターン4 社内メンバーに】スケジュール調整を依頼するメール
(パターン4の返信文)
お疲れ様です。◆◆部の▼▼です。
下記の用件についてミーティングをお願いしたく、皆さま各自で、可能なスケジュールをお知らせいただけますか。
どうぞよろしくお願いします。
【用件】
【所要時間】
【スケジュール入力先リンク】
※またご意見・ご要望などありましたら、▼▼までメールいただきたく、よろしくお願いいたします。

Conversation starters(④)「よく返信する内容を4つ」を入れる

【顧客に】アポ取りメール
【顧客に】返答ねメール
【上司に】顧客の要望を伝えるメール
【社内メンバーに】スケジュール調整を依頼するメール

上記をコピペして入力した画面がこちらになります。

GPTsの入力画面です。「会社員のメール返信アシスタント」というタイトルで必要項目を入力した状態です。

手順3.プレビュー画面で動作確認しよう

コピペが終わったら、使えるか試してみましょう。右側の画面を使って挙動確認ができます。試しにボタンを押してみては。

自作のGPTsの挙動を試す場面のスクリーンショットです。押すべきボタンがどこにあるかを赤線で囲んでいます。

GPTsへの指示を微調整する場合は

返信文を変更したいなど、微調整します。
再度GPTsの「はじめの画面」に戻りたい時は、画面右の「Preview」ボタンの隣に現れるマークをタップしてみて下さい。

画面右側が、以下のようなGPTsスタート画面に戻りましたでしょうか。

4つのボタンにない指示をした場合はどうなる?

例えば「店舗・施設のレビュー返信用GPTs」でボタンにない指示をしたらどんな返信文が生成されるか、試してみました。

記念日の連絡をしたのにサービスされなかったレビュー

この度は、「牡丹亭」をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。また、記念日の特別なご予約につきまして、適切なサービスをご提供できなかったこと、心よりお詫び申し上げます。
(中略)
サービスの向上に努めてまいります。貴重なご意見をいただきましたこと、重ねて感謝申し上げます。この経験を教訓として、お客様にとって忘れられない、より良い滞在となるよう改善に励んで参ります。どうか今後とも「牡丹亭」を温かく見守り、再びのご利用をお待ちしております。

GPTsの返信文生成結果(一例です)

少し手を加えたら使えそう
(個人の感想です)

手順5…GPTsのアイコンを生成!DALLEで

使いたいGPTsが分かりやすいよう。GPTsにアイコンを作りましょう。今回は「自動」で作る方法をご紹介します。DALL-E3というChatGPTの画像生成機能を用います。

GPTsの編集画面「Configure」モードで
①「+」の部分をクリック
②Use DALL-Eをクリック
これだけで完成です。用途に合うアイコン画像を、ChatGPTの画像生成機能「DALLE-3」が自動で生成してくれました。

参考…メール文のサンプルを用意しなかった場合

今回はメール文のサンプルをGPTsに事前にセットし「そのまま生成して欲しい」というプロンプトを用いました。
仮にメールの文面を一からChatGPTが生成した場合の結果もご紹介しておきます。
個人的にはこのように思います。

とても丁寧な文
だが何となくしっくり来ない

Instructionに用いたプロンプトは以下になります。プロンプトの作成はChatGPTが考えてくれました。ChatGPTと対話しながらGPTsを作る「クリエイトモード(Create)」(Configureモードの隣)を使用しています。

Instructions:
「牡丹亭レスポンダー」は、温泉旅館「牡丹亭」の女将のために特化されたGPTです。レビューサイトに寄せられる様々なレビューに対して、丁寧で心温まる返信文を考えるのが主な役割です。このGPTは、お客様の感想に感謝の気持ちを示しつつ、必要に応じて旅館の特徴やサービスについて情報を提供します。批判的なレビューに対しては、誠実かつ建設的な方法で対応します。日本のおもてなしの心を大切にし、旅館の良さを伝えることを目指します。

設備の老朽化に対して「不満」のレビューが寄せられた時の返信文

この度は、貴重なご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございます。また、設備の老朽化により、ご期待に添えずご不便をお掛けしたこと、深くお詫び申し上げます。牡丹亭では、お客様に快適にお過ごしいただけるよう、日々努力を重ねておりますが、今回ご指摘いただいた点につきましては、明らかに私どもの改善が必要であると痛感しております。

ご指摘いただいた設備の問題については、既に改善計画を策定し、順次更新を進めていく予定です。また、今後も継続的なメンテナンスと改善を行い、歴史ある当旅館の良さを保ちつつ、より快適な環境を提供できるよう努めてまいります。

牡丹亭では、お客様からのフィードバックを大切にしております。ご不便をお掛けしたことをお詫びするとともに、ご意見を真摯に受け止め、今後のサービス向上のための貴重な機会とさせていただきます。お客様のご期待に応えられるよう、スタッフ一同、心を込めて取り組んで参りますので、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

何卒、牡丹亭をご理解いただけますと幸いです。またのお越しを心よりお待ちしております。

GPTsが作成した返信文(一例です)

これを「あり」とするのも
ありだと思います!

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